アストロって当たるの?

前回の話の続きです。再び1994年の星の動きに目を向けてみましょう。

12月2日には木星と冥王星の合(惑星間の角度が0度のアスペクト、コンジャンクションともいう)が形成され多くの占星術師が注目しました。このアスペクトは約12年に1回しか起きないもので、基本的な意味として、宗教的転換、金権主義、建設的再出発といったものがあります。前回紹介した「ホロスコープ・メッセージ」のなかで、松村氏は次のように述べています。「冥王星・木星の会合は、世界経済の異変に関係し、その後の12年を支配するといわれるが、権力への渇望が本来の意味だ。・・(中略)・・変革には抵抗する保守的な配置だ。」そして、中東における戦火や、日本での軍備強化といった可能性も併せて述べていました。

94年12月の他のアスペクトを見てみると、木星と冥王星のコンジャンクション以外にも12月7日の火星と冥王星のスクエア(惑星間の角度が90度のアスペクト)が目につきます。この組み合わせの基本的な意味は、残忍、苛酷、野獣性、危機的な状況といったところですが、こういった目立ったアスペクトは出生図(生まれた瞬間のホロスコープ、国家などでは建国時のもの)に少なからず影響を与えます。特に出生図に弱点のある場合には人、会社、国家を問わず要注意なのです。

さて、1994年は偶数月のドル下落が話題になりました。1994年の偶数月に共通していることは何だったのでしょうか?こじつけと言われてしまえばそれまでですが、次のような共通点があります。

  94年 2月12日  水星が逆行開始
  94年 4月10日  水星が牡羊座(火象サイン)に
  94年 6月13日  水星が逆行開始
  94年 8月 8日  水星が獅子座(火象サイン)に
  94年10月10日  水星が逆行開始
  94年11月30日  水星が射手座(火象サイン)に

つまり、水星が逆行もしくは火象サインに入っている時にドルが下落しています。水星の逆行は価格の反転を意味するといいますが、果たして本当なのでしょうか? 1994年のドル(特に対マルク)の動きに関しては当てはまるようですが、為替相場の場合、他の年に関してはなんとも言えない、というところです。

アストロに限らずどんなことでもそうですが、頭から信じ込まずに常に自分で検証していく姿勢が重要だと思われますので、そのあたりのことも書いておきます。実際に94年12月12日の週のドルマルクの動きとアストロのシグナルを調べてみたところ、この週に関してはアストロのシグナルは今ひとつといった感じでした。しかし、実際の使用感(?)は、もう少し良いはずです。最近の実績については、「カレンダー」の実績をご覧ください。

この例でもおわかりのように、諸説あるアストロにも絶対と言うようなものは存在しないと思ったほうが良いでしょう。金融占星学の分野で一番研究されているのは、米株ダウ・ジョーンズの動きだと思いますが、一時期良いと思われた法則も別の時期には成り立たないといった例のほうが多いくらい、というのが実状です。私自身もある本に紹介されていた方法で実際に株価を追ってみたところ、1994年前半ではほとんどハズレ(!)というものもありました。しかし、だからといってアストロが全く当てにならないと決めつけるよりも、その時その時にあった手法を見つけだす努力が必要だと思いますし、その努力は決して無駄にはならないと思います。

もし絶対といえるような法則が見つかったら、密かに投資でもしてみたいと思いますので是非お知らせください。

今回の締めくくりに、もう少し水星に関して補足をしておきます。逆行(東から西への動き)というのは、見かけ上、地球の公転が水星の公転に追い抜かされるために起きます。水星と地球の会合周期は約116日ですから、だいたいその周期で逆行は起こります。逆行の期間は20日から28日です。ただ、水星は離心率が大きいため、実際の周期にはかなりのブレがあります。

次回からは、アストロの基本について書いていきます。